コミュニケーションのこと

コミュニケーションって何だ、と思います。そもそもコミュニケーションなんていう言葉は、ビジネス用語として使われている感がありませんか。コミュニケーションというと、ビジネスを円滑に進めるための情報交換みたいな意味に捉えられている。でも本当は、ビジネスを離れて、もっと人間的なお付き合いをする上で、一番大切なものなんだと思うのです。最近うちに来る若い人たち(実は若い人たちだけじゃない)を見て、あれこれ感じたことを書いて見ます。

そういう私たちも、ニュージーランドにきて、ニュージーランド人からコミュニケーションを学んだ気がします。彼らは、コミュニケーションの達人です。最近、ヨーロッパに旅行する機会もあり、スペイン人やイタリア人とも触れましたが、あの陽気な人たちとはまた違う、人懐っこさがニュージーランド人にはあります。人の目を気にせず、自分を飾らず、でも、自分が思っていることはストレートに表現する。その中に、コミュニケーションの真髄があるように思うんです。

そこで、日本人のコミュニケーションについて、ちょっと考えて見ましょう。まあ、はっきり言って、日本人ほどコミュニケーションが下手な人種はありません(笑)。それは、ここに、ヨーロッパやアジアの若者が集まり、その中に日本人が入れば、歴然とします。日本人は、まず自分を出さない。例えば、ここに来られたお客様や、若い人たちと「原発」の話をしたとします。ほとんどの日本人は、新聞やテレビで報道されている話をし、世間が原発をどう見ているかという話をします。自分が原発をどう考えているかということは話さない。また、複数の日本人が集まっている場合は、他の日本人が何を言うかが、その人の発言を左右します。概ね、日本の人は、聞き手に回ることを好み、発言することを控えます。

まあ、それは文化の違いということにしましょうか。しかし、その人たちが、ウーフやホームステイで、ニュージーランド人やヨーロッパ人の家庭に入った場合を考えましょう。私たちが、今まで、日本の若い人たちを、友人宅に送り込んだ例で考えると、ほとんどの友人の評価は、「日本人は話さない」です。自分の意見を持っていないから?いいえ違います。質問もないというのです。何も聞こうとしない。何に興味があるかも分からない。何を知りたいのか分からない。「わっからな〜ーい」が日本人評価です。私たちも、多くのヨーロッパの若い人とも接しましたが、彼らは、そういうことはない。いろんなことを聞いてくる。自分のことも話す。こちらも話す。そこで、心の交流が生まれます。日本人は、それがとても弱い。もしくは「ない」、のです。

日本のビジネスマンで、私はコミュニケーションができると思っている人は多いかもしれません。そういう人たちが、ここにきて、私たちやヨーロッパ人、ニュージーランド人と話をした時、どれだけ、話が弾み、どれだけ、自分のことを知ってもらえるでしょうか。仕事の話は、単なる情報交換です。コミュニケーションとは違う。何度も書きますが、コミュニケーションとは、情報交換や言葉のやり取りではなく、心と心の触れ合いです。それができる日本人が、どれだけいるでしょうか。難しい話ではないのです。だって、ヨーロッパやニュージーランドの若い人は、みんなできているのですから。

英語の問題があるから?そうでしょうか。それなら、私たちと一緒に日本語を学んでいるニュージーランド人、ヨーロッパ人と話して見たらわかります。日本語でも、同じことが起こります。つまり、言葉の問題ではなく、話す姿勢の問題なのです。

私たちは、コミュニケーション力は、人間としての成熟度とも考えています。ニュージーランド人やヨーロッパ人の日本人評価は、ほとんどの場合、「幼稚または子供っぽい」です。人の中に入れば、その中で、会話を提供するのは、大人としての「社交性」でもあります。エチケットですね。それができないのは、まだ大人になりきれていない、ということになります。ワーキングホリデーなどで、これからウーフやホームステイをする人たちは、ぜひ、それを意識してやって見てください。そして、自分は、どれだけ、会話を「提供」したかをチェックしてみてください。聞いているだけでは、コミュニケーションとは言えませんね。別れる時にハグをしてくれても、それがコミュニケーションができた証にはならないのです。

最後に付け加えますが、コミュニケーション力は、会話力とは違います。言葉数の少ない人、表現が下手な人、苦手な人、そういう人はたくさんいますが、ここにきた若い人の中にも、そういう人でも心と心が通じ会える人はいるのです。それは、コミュニケーション力がある人、ということになりますね。日本人同士では、あるいは、同年代同士では話ができるけれど、他の国、他の年代とは会話できない、としたら、それは、「コミュニケーション力がない」ということになるかも知れないのです。コミュニケーション力をきちんとつければ、世代や国境を越えて、いろいろな人と「心を通わせる」ことができます・

関連記事

  1. 情報と知識

  2. 2つの常識

  3. スクールより家庭

  4. 有機生活(Organic Living)

  5. 23分間の奇跡

  6. 脚本家