都市を滅ぼせ

「都市を滅ぼせ」という本があります。中島正さんという方が書いた本ですが、読んでみると、まず痛快なのです。心地よい切れ味のある文章は、とても農村の高齢者が書かれた文とは思えません。1994年に刊行されたものを、2014年に加筆修正して再刊されたのですが、この時点で筆者は94歳。驚くばかりです。倉本聰氏が、「過激にして斬新」と絶賛されています。

内容は何かというと、「都市」というものは、人間が作った最悪のもので、一日も早く解体したほうがいいというものです。都市は、食料を生産することをやめ、農村に作らせて自分たちは、金に任せて、むさぼり食う、江戸の哲学者安藤昌益のいう「不耕貪食」であるというのです。都市は、コンクリートで地上を覆い、エネルギーを浪費し、自然を破壊する。歴史的に見ても、都市というものは、支配者層の人間に都合のいいように、作ったものであるとします。

都市がなくても農村は困らないが、農村がなければ都市は生きていけないと言い切ります。都市を滅ぼす、具体的な手段にも考察が及んでいます。確かに過激な印象も受けますが、人間は、「農」を切り離して生きてはいけない、という点で同感できるのです。巨大化した都市は、恐竜のように自滅するが、その前に住人である人間そのものが滅んでしまうと危惧されています。

ここで、自分で野菜を育てて生活してみると、「農」というものの大切さが分かります。「半農半X」という生き方がありますが、ある意味で理想の生き方なのではないでしょうか。一度、自分の中にある「都市幻想」を滅ぼしてみてはどうでしょうか。

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